我が家の娘(小1)は、本が大好きな女の子。
保育園に通っている頃から一人で絵本を読んでいたし、少しくらい漢字が混ざっているような本でも、自分で読み方を推測して読み解いていました。最近は絵本を卒業して、いわゆる小学生向けの少し分厚めの本も読むようになっています。
私は自分で子育てがうまい方だとは思いませんが、娘が本好きになってくれたのは唯一の功績だと思っています(もちろん、娘の本来の性格に拠るところが大きいですが)
娘にたくさん本を読んでほしくて、子ども向けの書籍を調べていると、教育熱心な親御さんの色々な意見に出会います。その中で驚いたのは「かいけつゾロリは子どもには読ませたくない」という意見!かいけつゾロリだけでなく、おしり探偵なんかもそうです。
そこで今回は、かいけつゾロリに焦点を当てて、なぜ読ませたくないという意見が挙がるのか、そしてそれに対する私の意見を述べていきたいと思います。
結論:かいけつゾロリは本好きな子どもに育てるためにオススメ
結論から先に言うと、「我が家の娘が本大好きになったのはゾロリのおかげ」と言っても過言ではないほど、子どもの読書にオススメです。
我が家の場合、娘がゾロリを読み始めたのは年長さんのとき(その本を読むのに最適な時期って子どもによって異なるので、早いとも遅いとも思っていません)。
私が思う、ゾロリのおすすめポイントは以下の3つ。
1.単純にストーリーが面白い
「そんなアホな」という展開で、子どもの興味をぐんぐん引き寄せてくれるので、「この後どうなるのかな」「ゾロリはどうするのかな」というワクワク感が、子どもの『読みたい!』という気持ちを引き出してくれます。
2.隠れゾロリママを探すのが面白い
ゾロリのお母さんは天国にいるのですが、離れていてもお互いを思う気持ちが子どもにも読み取れるよう描かれています。また、ゾロリたちを見守るように、挿絵のいたるところにゾロリママが隠れていて、ストーリーを読むのとは別にゾロリママを探すという楽しみ方も出来るので子どもが飽きません。
3.作者と子どもの距離が近い
これは子ども向けの本には珍しいなと思うのですが、本の色んな場面で、作者のはらゆたかさんが登場してきます。ゾロリママと同様、挿絵の中にもはらゆたかさんと、その奥さんのはら京子さんが隠れていることも。
作者が出てくることで、本の中の世界と現実の世界とが繋がり、『ゾロリは、誰かが作ったお話の世界のキャラクターである』というフィクションの世界観を学べます。そして、ゾロリシリーズ以外にも同じ作者が書いた本を読んでみたい!と子どもが思うことで、読書の幅を広げることにも繋がります。
ゾロリは幼稚?
かいけつゾロリに関するネット上のパパママの意見を見ていると、「ゾロリは幼稚な本」「下ネタも出てきて下品」「もっと高度な本を読んでほしい」というものが多いです。
これに関する私の意見ですが、幼稚とも思わないし、下品とも思いません笑。これは人によって感じ方も違うと思いますが、時事的なネタをパロディにしていて勉強になる(?)こともあるし、下ネタと思うほどの下品な表現もほとんどありません。(ほとんど、と表現しているのは、私がそう感じていないだけかもしれないので)
そして、ゾロリも、そのお供のイシシとノシシも、決して「お行儀のいい子」ではなくイタズラ好きのやんちゃなキャラクターです。なので、イタズラを企むと結局は痛い目を見るんだという反面教師になってくれます。ゾロリが悪だくみをする度に、こどもと一緒に「こんなことしちゃダメだよね~」と笑いながら読むのも楽しいです。
ゾロリしか読まないときは
ゾロリにハマると、次にぶちあたる問題が「ゾロリシリーズしか読んでくれない」というもの。これに関してはもう「まずは、それでええやん」と言いたいです。
ゾロリシリーズって本当に面白いので、一度ハマるとどんどん読みたくなるんですよね。色んな作品に触れてほしいママからすると、「またゾロリかい!」と言いたくなるのも無理はありません。しかも、ゾロリシリーズだけで60巻超え!
でも、子どもが何かにハマるということは、それだけ興味・関心が高まっているという証拠なので、ここで「ゾロリじゃなくて他の本も読みなさい」なんて言ってしまうと、本に対する興味が一気に消え失せます。先述のとおり、作者のはらゆたかさんはゾロリシリーズ以外にも色んな本を書いていらっしゃるので、ゾロリシリーズを一周読み終わったら、同じ作者の他の本を勧めてみて、そこから本の世界を少しずつ広げてみましょう。
ほかに、どんな本を読ませたらいい?
いつも本を読んでいる娘を見て、色んな人から「どんな本を読ませたらいい?」と訊かれるのですが、私が思うのは「親が読ませたい本じゃなくて、子どもが読みたい本を読めばいい」ということ。
こう書くと当たり前のことなんですが、それがなかなか出来ないのが「親」というもの。「せっかく読むなら良書を」とか「道徳心が学べるものを」とか、ついつい読書にお勉強の要素を求めてしまうんですよね。また、ありがちなのが、自分が子どもの頃に読んだ本を勧めてしまうこと笑。
子どもは勉強したいと思って本を読むのではなく、「楽しみたい」「面白そう」と思って読むんですよね。お説教くさい要素が入った本を読ませたいという親のエゴは、実は子どもにバレバレなのです。そしてどんどん本から心が離れていく...
「でも、子どもが選ぶ本って絵本とか漫画ばっかり!」という方もいるかもしれませんが、それでいいんです。
本があまり好きじゃない子は、まずは漫画っぽい本でも絵本でもいいから、活字に慣れることから始めましょう。
まとめ
今回はゾロリシリーズを取り上げましたが、これに限らず、親が読んでほしい本と、子どもが読みたい本が違うのは当たり前のこと。大人だって、自分の読みたい本を読みますよね。(学校や仕事で「読め」と言われた本って、不本意に何かを植え付けられそうで、それだけで拒否反応が出ちゃう)
「この本は何歳向け」とか、「小学校になったらこの本を読むべき」とか、そんな情報に縛られないで、そのとき、子どもが読みたいときが適齢期だと思って、自由に本を読ませてあげる。これが、本好きの子どもを育てる一番の方法だと思っています。
そのうち、我が家の娘もそうですが、勝手にどんどん難しい本を読むようになります。そして、本は、一度好きになったら、嫌いになることはありません。
ゾロリばっかり読んでいる息子さん・娘さんがいて悩んでいる親御さんがいたら、「そのまま読ませてあげて大丈夫ですよ~」と言ってあげたいです。